あの当たり前だった日常はどこへ
梅雨前線がつくりだした線状降雨帯が九州地区にとどまり大きな被害をもたらしています。
尊い命を失われた方々のご冥福を祈ります。
治まりかけたかに見えた新型コロナウイルスは再び勢いを取り戻し、私の住む街にも足跡を残し始めました。
それでなくとも連日の雨に閉じ込められているというのに、おかげで買い物も外食も恐る恐るという有様。
あの当たり前だったに日常はどこへ行ったのでしょう。
つかの間の晴れ間にする散歩だけが唯一の解放されたひとときです。
その散歩の途中見つけたジャコウアゲハの幼虫、とんでもない偏食とあって、餌のウマノスズクサを探すのに苦労しながらも、良い気分転換になっています。
面白いことに、真っ黒い幼虫が金色の蛹に返信する姿を見て以来、虫嫌いの妻が突如関心を持ち始め、採ってくるウマノスズクサに付いてきたジャコウアゲハの卵を熱心に育て始めました。
最初に捕まえてきた幼虫は蛹になりおよそ十日、金色がだんだん黒ずみ始め、今朝、妻の目の前で脱皮し、見事蝶々の姿になりました。
それを見た妻は興奮気味、さあ花はないか、蜜はないかと大騒ぎ、さすが蝶々に強制的に蜜を吸わせることはできません。
ようやく、言って聞かせて、最初に捕まえたところに放してあげました。
退屈しのぎに始めた自由研究ではありましたが、思いがけなくも、夫婦ともに良い気分転換になっています。
ジャコウアゲハの幼虫、劇的な変化
黒と白というパンダ模様のジャコウアゲハの幼虫は、稀少なウマノスズクサをもりもりと食べ、どんどん太っちょになりました。
それが急に食べるのを止めると、ケースの中をうろうろと彷徨い、蛹になるばしょを探しているようでした。
そして、ある場所に来ると、そこに身体を糸で固定し、とつぜん大量に脱糞し、そのまま固まってしまいました。
姿はもとのままで蛹らしからぬ姿、妻は死んでしまったのではと心配しだしました。
それから二日後の朝のことです。
覗いてみると、今までの姿からは想像もつかない、金色の蛹になり、その下には脱ぎ捨てた白黒の衣装が脱ぎ捨ててありました。
あまりにも見事な変身、生き物の不思議さに感動させられました。
江戸時代に人は、この姿を着物を着た女性が磔になっている様子と見て、「お菊虫」と名付けたそうです。
怪談「番町皿屋敷」でお皿を割って磔になったという「お菊さん」の姿だそうです。
ジャコウアゲハの観察、結構楽しめます。
春のバラのシーズンが終わり、緑一色だった我が家の庭は、四季咲きのバラに返り咲きが見られ、また華やかさが戻ってきました。
でも、蒸し暑いこの時期のバラの花の寿命は短く、すぐの散ってしまいます。
この時期の庭仕事は、咲きがら取りと虫退治、シャクトリムシにチュウレンジバチ、バラゾウムシにカミキリムシと目が離せません。
でも、こんな庭仕だけでは運動量は少なく、どんどん体が鈍ってきます。
自粛要請はなくなったのですから、旅行にと思いますが、公共交通やホテルでのリスクがどおしても邪魔をして、踏ん切りがつきません。
そうなると、出来るのは散歩だけ、私は一日一万歩、妻は七千歩というのが我が家のルールですが、雨の日はデパートの中を歩いたりして、何とかクリアしている始末です。
ところが、アゲハチョウの幼虫を見つけて以来、妻が自然観察に目覚め、今はジャコウアゲハの育成にはまっています。
今は一匹目が蛹になろうとしているところ、結構楽しめます。
このジャコウアゲハのエサであるウマノスズクサがくせもの、なかなか見つけられないのです。
このおかげで、梅雨空にも拘らず、外に出ることが増え、歩数は増加、気分転換もでき、健康を維持できそうです。
ウマノスズクサを求めて
ジャコウアゲハの幼虫、青虫ではなく胸に一本白線が入った黒虫です。
留まっていた草、後で調べてみてウマノスズクサであることが分かったのですが、これが大問題です。
我が家の「はらぺこくろむし」、食欲は驚くほど旺盛、一緒に採ってきたウマノスズクサは、瞬く間に食べ尽くしてしまいました。
ところがこの草、どこに出も生えているものではないのです。
最初に見つけたのは我が家から30分以上離れた多摩川の土手、毎回そこで取りにいくのはやっかいです。
それからの散歩は、まさにウマノスズクサ探し、ようやく近くの浅川の土手で見つけました。
それも、たくさん生えているわけではありません。
だからこそ、ジャコウアゲハは稀少種として珍しがられるのです。
毒のあるこの草しか食べないなんて、コアラのユーカリ、パンダの竹同様、究極の偏食です。
採取したウマノスズクサ、家に帰って調べていると、なんと卵が数粒産み付けられているではありませんか。
どうも、この自由研究、妻とともにはまりそうです。
七十の手習い・・・自由研究
我が家のゆずの樹に産み付けられアゲハチョウの卵、まさに「はらぺこあおむし」のごとく成長し始めました。
そんなときに、次女の家族がやってきて、孫の観察用にと欲しがられ、連れていかれてしまいました。
その後は、電話で毎日のように成長の様子が伝えられ、「籠から逃げ出して和室の壁で蛹になった」とかどうも孫よりも親の方が楽しんでいる様子です。
それに刺激されたのか、妻までが私も観察したいと言いだす始末、子供たちが小学生の頃、夏休みの自由研究で育てたことを思いだしたようです。
ところが、その後は、いつみても卵や幼虫は見つからず、全部あげるんじゃなかったと言いだす始末です。
困っていたちょうどその時、散歩の途中、妻がちょっと変わった幼虫を見つけました。
持ち帰って調べてみると、なんと「ジャコウアゲハ」の幼虫でした。
さっそく飼い始めましたが、どうもこの幼虫は「ウマノスズクサ」しか食べないとのことがわかりました。
それからが,まさに、七十の手習い、散歩道でのウマノスズクサ探しの自然観察です。
■
梅雨らしい日が続きます。
私の住まう地域では、ここ1カ月以上新型コロナウイルス感染者は出ておらず、
近くのデパートも営業を再開、いつもの賑わいが戻ってきました。
でも、東京全体では毎日40名前後の新規感染者が出ていると聞くと、まだ旅行に出かける勇気はありません、
暫くは、この地域社会の中での買い物や外食か子供たち家族との交流を楽しむしかないようです。
自らに課している一日一万歩の散歩は、雨雲レーダーを覗きながら、何とかキープしています。
散歩道は夏草で覆われ、そこに咲く花々の上をトンボやチョウチョウが飛びかい、目を楽しませてくれます。
まあ、これが幸せな日常というものでしょう。
画像は、この辺りに生息するジャコウアゲハです。
先日、捕まえたアゲハチョウの幼虫は、孫のところにもらわれて行きました。
既に何匹かはさなぎになり、親子ともども成長の過程を楽しんでいるようです。
テレワークの功罪
裏庭に植えてある柚子の木にアゲハチョウが卵を生みつけました。
それが日に日に育ち、まさに「はらぺこあおむし」になりました。
放っておくと、小鳥に食べられてしまうので、虫かごを買ってきて、家の中で育ててみることにしました。
コロナウイルス対策のひとつとしてテレワークが一気に普及してきました。
商社で働く娘の話では、実際にやってみると日常業務にはほとんど問題がなく、これまで消極的だった高齢管理職たちも、考えを変えたようです。
最大のメリットは通勤からの解放、往復2時間という無駄な時間を公私ともに有効活用できることだそうです。
私は、いわばテレワークの先駆者の一人、リタイア後の15年間、大学講師という仕事では、ほとんどがイントラネットを使って行っていました。
最大のメリットは通勤が要らないことと、決まった場所、決まった時間に、みんなが集まることが、人の自由をいかに束縛しているか良くわかりました。
デメリットはというと、コミュニケーションが文字に頼ることになり、感情が上手く伝わらず誤解を生じやすいことでした。
でも、今ではテレビ会議システムもあり、顔を見て話すこともでき、その点も解消されたようです。
ただ1つ残るのは、やはり寂しいというところです。
私は定期的に行う集中講義や合宿講義でそれをカバーしてきました。
人間には時には、やはり三密が必要なようです。